おしらせ

2020-10-30 13:19:00

咲柔館コラム23 「七十の手習い~生涯柔道を始めよう!~」

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 まさか、母に柔道を教える日が来るとは思いませんでした。私の母は今年で71歳です。今も父が運転する介護タクシーに同乗し、元気に働いています。最近、運動不足を気にしていた母は、咲柔館が開館した当初から「柔道をやってみたい」と言っていました。

 

 

 私や兄の柔道を我々の幼少期からずっと見続けてきた母ですが、実際にやるのは初めてです。私は稽古開始前に「準備体操も難しいのでは…」と思っていました。しかし、いざ始まってみると予想に反して体操や補強運動の動きがスムーズなのです。最後は「受身」まで上手に行うことができ、とても驚きました。

 休憩を入れながら約1時間の柔道体験を行った母は「体がすっきりした。」と喜んでおり、「柔道を月に2回やる!」と張り切っています。1日遅れで腹筋と背筋が筋肉痛になったそうですが、2日後には回復したとのことです。柔道をやった日はぐっすり眠れたそうで、母の健康に少しでも貢献できたことを嬉しく思います。

 

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 60代、70代になっても元気に「生涯柔道」を実践されている方はいらっしゃいます。

 文武一道塾 志道館(今年3月まで勤務)では、67歳(指導当時)の塾生様にご指導をさせていただいていました。この方の柔道ブランクは約50年です。「試合に出る」という目標を掲げ、柔道を再開されました。いつも熱心に稽古をされ、心から柔道を愛するその姿勢は、若い柔道家にとっても素晴らしいお手本です。

 

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※写真は「文武一道塾 志道館」さんにお借りしました

 

 

 また、私が昇段試験を受けた際に「形(かた)」を教えてくださった先生方の中には、60代から70代の先生方もいらっしゃいました。そのような人生の大先輩に「肩車」で投げていただいた時の衝撃は、今でも忘れられません。「力をうまく使えば簡単だよ。経験です。」と笑顔でおっしゃっていました。

 

 

 

 柔道は体も心も若く保ってくれます。ご自身のお体や体調に合わせた稽古を心がければ「生涯柔道」として長く柔道を楽しむことができます。無理をせず、「乱取り」などの実戦練習は控えても良いと思います。受身や打ち込み(反復練習)を行うだけでも十分に柔道の魅力、効果を感じられるはずです。

 安心、安全を第一に、今後も「生涯柔道」のより良い方法を追究、実践し続けていきます。

 

 

 ちなみに、父は「初段をとったら?」と母に本気で言っているそうです。両親のチャレンジ精神は、私がいくつになってもかないません。「七十の手習い」で柔道を始めた母には、これからも元気で長く柔道を楽しんでほしいと思います。

 

※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n79d3af403614