おしらせ
2024-03-27 14:57:00
📝Jキッズフェスタふり返り④(背負投講習会編)~石川先生と背負投への憧れ~
咲柔館コラム273
Jキッズフェスタふり返り④(背負投講習会編)~石川先生と背負投への憧れ~
Jキッズフェスタでは、元全日本強化選手の石川裕紀先生をお招きし、背負投講習会を行いました。今回の講習の主な対象は「背負投をやったことがない」「背負投に苦手意識を持っている」お子さん・中高生です。
対象をこのように設定した理由は、私自身も「背負投はできない」と長年思っていたからです。指導者を志した大学時代から、背負投を教えるために必要な知識は勉強しだしたものの、自分自身が使えるようになるとは考えていませんでした。しかし、そんな私でも24歳の時に初めて試合で背負投がかかったのです。生徒に背負投を教えるために少しだけ打ち込みをやっていたのですが、その技が思いがけず出ました。試合で背負投がかかったのは柔道人生でその1回のみですが、「自分も背負投ができるんだ」と感動したのを覚えています。
おそらく、私のように「できない」と勝手に決めつけているお子さん・中高生も多いのではないでしょうか。そんな心の壁をなくすきっかけにしたい、という願いを石川先生にお伝えし、講習会をお願いしました。
背負投の名手である石川先生は、教え方も一流です。優しい口調、丁寧な説明で、背負投を一からを教えてくださいました。上半身の使い方(相手の崩し方)、下半身の使い方(体の回し方)をそれぞれ分解して実践し、最後は全体をつなげて1つの技にする。解説がとても分かりやすい上に、練習の合間には質問に答えてくださったり、技を受けてくださったので、背負投のイメージがよく理解できたと思います。
咲柔館のお子さんの中には、最後の乱取りタイムで石川先生と組んだり、稽古後にサインをいただいたお子さんもいました。石川先生と背負投に憧れを抱いたようで、この日以来、多くのお子さんが一所懸命に背負投を練習しています。「自分にも背負投ができるかも」と思ってくれたことが嬉しいです。
石川先生は、Jキッズフェスタの最後にこう話されました。「私が皆さんに大切にしてほしいことは3つあります。それは『素直な心』、『柔道が好きという気持ち』、そして『感謝の心』です。この3つを大切にしてこれからも柔道を頑張ってください。」 石川先生は技だけではなく、柔道家として大切な心も教えてくださいました。
石川先生のご指導には「子どもたちを強くしたい」という思いと共に「人として成長してほしい」という願いがこもっているように感じました。強くて優しい柔道家、石川先生との出会いは、お子さんたち、中高生の皆さんにとって一生の宝物になることでしょう。石川先生、心のこもった素敵なご指導を本当にありがとうございました。
☆石川先生YouTube「背負投」
⇩
https://www.youtube.com/watch?v=flJ0Meo5eYk
※次回は「柔道川柳・柔道クイズ編」です。
「柔道をやることで、人生はより豊かになる」
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
※noteより転載
https://note.com/shojukan/n/n82f84bf331e3
2024-03-25 11:51:00
🌸2024年4月稽古予定🌸
いつも咲柔館ホームページをご覧になってくださりありがとうございます!
2024年4月の稽古予定を掲載いたします。
より画像が鮮明な「PDFファイル」版はこちらです。
⇩
カレンダー 2024年4月.pdf (0.22MB)
咲柔館は、お子さんから大人の方まで、初心者の方やブランクがある方でも柔道を楽しめる道場です。柔道にご興味がある方は、お気軽にお越しください。
見学・体験のお申し込みはこちらからお願いします。
↓
https://shojukan.com/contact
それでは、4月もよろしくお願いいたします。
2024-03-21 12:22:00
📝Jキッズフェスタふり返り③(親善試合編)~相手に勝つより己に克つ~
咲柔館コラム272
Jキッズフェスタふり返り③(親善試合編)~相手に勝つより己に克つ~
(※写真は、特別試合として石川裕紀先生がお子さんと対戦した時のものです)
Jキッズフェスタでは、主に「試合に出たことがない」「試合出場経験が少ない」お子さんたちを対象とした親善試合を行いました。安全面に配慮した特別ルールを作り、習熟度・柔道経験年数で3つにカテゴリー分けをしたことが大きな特徴です。以下、特別ルールとカテゴリーの概要です。
【親善試合ルール】
・1人2試合程度とし、組み合わせについては申込時に記載された「学年」「身長」「体重」「経験年数」「練習頻度」を総合的に判断して決定する。
・いずれのカテゴリーにおいても選手の主体性を重んじるため、試合中に指導者・保護者はアドバイスをしない。
・ルールについては、国際柔道連盟試合審判規定及び少年大会特別規定で行うが、下記のように特別ルールを付け加えるものとする。
〈基本マッチ〉
主な対象:一般の大会への参加経験があり、投げられた際にきちんと受け身がとれる者
・試合時間…2分(ランニング)
・組み合った状態から開始する(組手を切った際には即座に組みなおし攻撃することとする)
・「待て」がかかった後は開始戦ではなく試合場中央でまた組み合った状態で再開する
・けんか四つの釣り手については赤の選手が内側から組んでスタートし、「待て」がかかり試合会場中央に戻ったら、白の選手が内側から組んで再開する(以降、交互に組み方を変える)
・勝敗はテクニカルスコアのみ(罰則は与えるが勝敗には影響しない)
・テクニカルスコアに差がない場合は「引き分け」
〈足技マッチ〉
主な対象
(1)一般の大会への参加経験はあるが、技の習熟が十分でない者
(2)経験年数が短く(1年未満)、基本マッチでは不安な者
・試合時間…2分(ランニング)
・「基本マッチ」と同ルールだが、かけてよい技は「足技」(大外刈・内股はのぞく)のみに限定する。
〈寝技マッチ〉
主な対象
(1)経験年数が短いが(半年未満)、寝技のルールを理解している者
(2)経験年数は長いが、基本マッチ、足技マッチでは不安な者
・試合時間…30 秒
・赤の選手が白の選手を安全に投げてから一旦静止し、「始め」の合図で抑え込みに移行する
・30秒経過時点で抑え込みが継続していたら赤の勝ち、抑え込みが解けていたら白の勝ちとする
・上記のルールで互いに2回ずつ(計2分)行う
・勝ち星の数に応じて、勝敗及び引き分けの判定をする
今回が初めての試合である咲柔館のお子さんたちは、当日に向けてルールの確認や試合形式の練習を重ねてきました。私が試合において心がけてほしいと伝えたことは3つ。①今の自分の全力を尽くす、②投げられたらしっかりと受身をとる、③心を込めて礼をする、です。
試合結果は、やはり初試合ということで引き分けや負けが多かったのですが、何度も話してきた3つの心がけについては全員がしっかりと行うことができました。この点について、お子さんたちを心から誉めたいです。
勝ちに対する賞賛もさることながら、「勝ち以外の価値」にも重きを置くのがこの親善試合の特徴です。技能賞(理合い通りの美しい技で一本をとった者)、 礼法賞(礼法・服装・所作が美しい者)、 安全賞(潔くきれいな受け身をとった者)を設けました。賞のメダルはキーホルダー型のものなので、さっそく柔道バッグにつけているお子さんもいらっしゃいます。
負けて悔しがる、勝って喜ぶ、賞をもらって感動する、他のお子さんの試合を見て驚く、などなど試合を通じて、お子さんたちは沢山心が動いたと思います。感情と一体になった学びは、一生の財産です。人が変わるきっかけになることもあります。実際にこの日を境に「もっとうまく技をかけられるようになりたい!」と打ち込み・乱取りをはりきっているお子さんもいらっしゃいます。
試合は相手との戦いであると同時に、自分との闘いでもあります。弱気な気持ちをはねのけて技をかける、負けてもしっかりと礼をする、といった己との闘いを経験したお子さんたちは、前より少しだけたくましくなりました。大切なのは、相手に勝つより己に克つこと。このことを柔道を通して伝えていきたいです。そして、試合を通して学んだことを今後の稽古・学習に生かし、強く優しい柔道家をみんなで目指していきます。
※次回は「背負投講習会編」です。
「柔道をやることで、人生はより豊かになる」
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
※noteより転載
https://note.com/shojukan/n/n49aba692f548
2024-03-12 12:37:00
📝Jキッズフェスタふり返り②(柔道遊び編)~畳の上で遊びが生まれる~
咲柔館コラム271
Jキッズフェスタふり返り②(柔道遊び編)~畳の上で遊びが生まれる~
「柔道遊び」という言葉を初めて知ったのは、約5年前。当時務めていた柔道教室「文武一道塾 志道館」やNPO法人「judo3.0」主催のワークショップで知りました。「柔道遊び」というのは、「畳」「柔道衣(帯)」「裸足」といった柔道の特性を生かした遊びです。遊びを通して基礎体力を向上させたり、柔道の基本動作を身につけることができ、またお互いに近づく(組み合う)ことも多いのでコミュニケーション力の向上も期待できます。
私は5歳から柔道をやってきた中で「道場で遊ぶ」という発想が全くなかったので、初めて柔道遊びを見た時は驚きました。「柔道場で遊んで良いのだろうか…」という戸惑いも少しありました。でも、実際に柔道遊びをしているお子さん達を見て、本当に生き生きしていることに気づいたのです。
50mダッシュを5本やるより、鬼ごっこで5分遊ぶ。このトレーニングから遊びへの転換が、私が幼少期のお子さんたちに柔道を教えるようになってからの1番の変化だと思います。遊びの中で自然と体を鍛え、色々な動きを身につける。そして、体を動かす面白さ、みんなで一緒に運動する楽しさ知る。柔道を遊びを通して、生涯にわたって柔道やスポーツを続ける姿勢を養っていくことも柔道遊びの大きな目的です。
Jキッズフェスタでも、この柔道遊びを試合前の準備運動として取り入れました。各道場の先生方や中学生・高校生も参加し、約100人での柔道遊び。礼法を取り入れたゲーム、体全部を使ったじゃんけん、帯を持ってみんなでつながる鬼ごっこなど、色々な遊びをみんなで楽しみました。
柔道遊びのポイントは「先生も一緒に遊ぶ」ことです。もちろん、指導者として安全面の配慮を常に行うことが大前提ですが、「しかめっ面で腕組み」では、子どもは緊張してしまいます。今回参加してくださった先生方は、ニコニコ笑顔で子ども達と一緒に遊んでくれました。そのお陰で、お子さん達の心と体はぽかぽかに温まったようです。
現在も色々な道場で新しい柔道遊びが生まれ続けており、SNS等でその一部を見ることができます。柔道では使わない、ボールやフラフープなどの道具を使った柔道遊びもありますよ。以前、見学に伺ったある道場の先生は「柔道遊びは、必ずしも柔道につながらなくていいんです。柔軟な発想で子どもを楽しませる。子どもの発育・発達を促す。これが1番大切です。」とおっしゃっていました。柔道遊びの開発には、他競技を取り入れてみても面白いかもしれませんね。
子どもは遊びの天才です。子どもたちが遊びを生み出すこともあります。Jキッズフェスタでは、乱取りタイムに乱取りゾーンとは別に「遊びゾーン」も設けました。ここは、乱取りに疲れたお子さん達が休んだり、自由に遊びまわって良い場所です。お子さん達は、道場や小学校の垣根を越え、自分たちで決めた色々なルールの鬼ごっこを楽しんでいました。
この鬼ごっこについて、咲柔館のあるお子さんが柔道ノートにこう書いています。
「この日は7時間も柔道場にいました。こんなに柔道場にいたのははじめてです。最後の乱取りタイムは、とちゅうでつかれてしまったので、おにごっこをすることにしました。みんなでできてとても楽しかったです。」
疲れたので鬼ごっこをする。楽しい遊びは別腹ならぬ「別エネルギー」のようです。子どもの元気は本当にすごいですね。
これからもお子さんたちが笑顔になり、心・頭・体の成長につながる面白い柔道遊びを開発・実践していきたいと思います。もし、おすすめの柔道遊びがありましたら、ぜひ教えてくださいね。
※次回は「親善試合編」です。
「柔道をやることで、人生はより豊かになる」
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
※noteより転載
https://note.com/shojukan/n/ndc39d8c84e50
2024-03-01 11:57:00
📝Jキッズフェスタふり返り①(準備編)~菅野先生五つ子説~
咲柔館コラム270
Jキッズフェスタふり返り①(準備編)~菅野先生五つ子説~
おかげ様で2月24日(土)のJキッズフェスタは、約100名の方(未就学児~高校生)にご参加いただき、怪我なく無事に終えることができました。改めまして、参加してくださった皆さま、ご協力・ご支援いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
このイベントは、文武一道塾 咲柔館のこれまでの活動を集約したものと言っても過言ではありません。記録、記念としまして、開催に至るまでの経緯と準備、そして当日の様子を何回かに分けて記したいと思います。お時間のある方はどうぞおつきあいください。
そもそも、このイベントは、宇都宮市の柔道教室「葵陽塾(きようじゅく)」さんと一緒に「親善試合を含めた小さなイベント」として開催する予定でした。計画を始めたのが去年(2023年)の9月頃。葵陽塾代表の菅野先生とカフェやオンラインで何度も作戦会議を行いました。
最初は咲柔館のある栃木市内の体育館で開催する予定でした。しかし、会議を重ねる中で菅野先生が「実は、来年(2024年)2月24日ならユウケイ武道館(2022年国体会場)をおさえてあるんですが…」とご提案くださったのです。別のイベント用に予約されていたのに、なんと使用目的を変更してくだるとのこと。ご提案いただいた瞬間は、「両道場を合わせて参加者は30人くらいだけど大丈夫かしら…」と思いましたが、こんなチャンスはめったにないので大きな会場で開催することを決めました。
会場の大きさに伴って、2人のやりたいこともどんどん膨らみます。「せっかくなので、他の道場さんにも参加を呼びかけますか」「広い畳の上で子どもたちを思いっきり遊ばせたいですね」「一流選手と交流をさせてあげたいなあ」「柔道クイズや柔道川柳もおもしろそうですね」といった具合に、作戦会議を重ねるうちに、気づけば当初想像しなかったイベントへと変化していたです。
イベントの形が整い、いよいよ12月末から参加者の募集開始です。ここからの菅野先生の動きがすごかった。もちろん私も準備業務を行ったのですが、菅野先生の仕事の質の高さとスピード感には驚かされることばかりでした。
参加者の呼びかけ、協賛金のお願い、メディアへの取材依頼、Googleフォームを活用してのスタッフ・視察応募、などなどイベント開催・成功に向かって、菅野先生はエンジン全開!言い出しっぺの私は、菅野先生がやってくださったことの確認やサポートばかり…。私が思い浮かばないようなアイディアと実行方法でどんどん準備を進めてくださいました。
「1人で行けば早く行ける。みんなで行けば遠くへ行ける」とよく言いますが、「菅野先生と行けば早く遠くへ行ける」というのが一緒にイベントを開催した感想です。本来5人くらいでやる位の業務をお1人で行ってくださいました。「菅野先生五つ子説」「菅野先生忍者説(分身の術)」のどちらかしかないと思っています。
私は会場の畳は200畳くらいかなあ、と考えていました。しかし、菅野先生はその想像を軽く越えます。菅野先生が作られた会場レイアウトを見てびっくり。なんと544畳。「せっかくなので沢山敷きましょう!」と笑顔でおっしゃる菅野先生。「こんなに敷けるかなあ…」と正直心配でした。
しかし、イベント前日の準備では、葵陽塾の塾生さんや近隣の中学生の皆さん約40名でなんと1時間できれいに敷き終えたのです。普段からこの会場を使われることが多い皆さんとはいえ、本当にすごい早さでした。(この準備には、咲柔館の中高生・大人クラスの塾生様も遠くからかけつけてくださいました。ありがとうございました)。
この他に、受付の設営、柔道クイズ用のモニター画面の設置、柔道川柳の掲示、など細かい準備も(菅野先生五兄弟を中心に)行い、あとは翌日の本番を迎えるばかり。いよいよ明日がJキッズフェスタ!ドキドキワクワクしながら、帰路へつきました。
Jキッズフェスタは、葵陽塾さんとの共催でなければここまでの規模・内容のイベントになることはありませんでした。誰かと一緒にやることで生まれる化学反応って本当にすごい(何より菅野先生がすごい)。菅野先生、葵陽塾の皆さんと一緒に開催できて良かったです。本当にありがとうございました。
※次回は「柔道遊び編」です。
「柔道をやることで、人生はより豊かになる」
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
※noteより転載
https://note.com/shojukan/n/n727c4172f36b