おしらせ

2021-01-29 14:33:00

咲柔館コラム47 大人の柔道人口は増えている?!~大人から始める趣味としての柔道~

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 2019年度の国内柔道人口は、約14万4千人です(全日本柔道連盟登録人口 2019年参照)。残念ながら柔道人口は、減少傾向にあると言われていますが、何と2019年に柔道人口が増えている世代があります。それは「社会人」です。男女合わせて2万5853人(男性2万3312人・女性2541人)が登録されていました。この人数は、全柔連のホームページに掲載されている過去15年間のデータで1番多いです。

※全日本柔道連盟登録人口推移
https://www.judo.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/12/tourokujinkou-suii202012.pdf

 

 

 「現役選手」「指導者」などその内訳は正確に分かりませんが、おそらくこの中には「大人になってから柔道を始めた方」も含まれていると思います。私が以前務めていた文武一道塾 志道館では「世界柔道選手権2019東京大会」(8月末開催)の後に、見学、体験、そして入塾される大人の方がとても多かったです(2019年9月・10月の大人入塾者 24名[男性20名・女性4名]/文武一道塾 志道館ホームページ コラム『新規入門者数にみる、コロナ禍での柔道場経営』参照)。   

 

※文武一道塾 志道館ホームページ
https://www.bunbuichido.net/20201023blog12-dojo-management/

 

 

 

 

 柔道は、競技者や指導者として関わる方が多いと思います。しかし、これからは趣味として気軽に柔道を楽しむ大人の方が増えるかもしれません。実際に咲柔館の一般クラスは、大人になってから柔道を始めた方がほとんどです。「柔道は大人になってからでも始められる、続けられる」という認識を少しでも広めていきたいと思っています。

 塾生様の中には「2年間以上、大人の初心者が通える柔道場を探していました。」という方もいらっしゃいます。実は、柔道に興味を持っている大人の方は、意外に多いです。そのような方達が柔道を始める上で、咲柔館では「基礎体力の向上」と「基本技術の定着」に重きを置いています。準備体操・補強運動と受身の稽古には、じっくりと30分以上時間をかけます。乱取りなどの実戦練習よりも、打ち込みなどの反復練習が中心なので、体力に自信がない方でも大丈夫です。そして、最も大切にしているのが「柔道精神」です。相手を思いやる心があってこそ、大人の方達が安心して柔道を楽しむことができます。柔道は、礼法や技を通じて相手への敬意を表す場面が多くあるので、稽古を重ねることでお互いの関係も深まります。こうした柔道場での活動を通し、世代や地域を越えた交流の輪が広がっていくことも大きな魅力です。柔道場を皆さんにとって心地よい居場所にしていきたいと思っています。 

 

 

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 2021年になってからも、大人の方から体験のお問い合わせをいただいております。皆様もどうぞ、お気軽に見学や体験にお越し下さい。今年も素敵な大人の柔道家が沢山増えることを楽しみにしています。

 

 

※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n6fef59723a25

 

 

体験・見学のお申し込みはこちら😊
↓↓↓

https://shojukan.com/contact

 

お電話:070-4330-5718
(火~土:9時~18時受付)

2021-01-28 12:20:00

2021年2月予定表

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いつも咲柔館ホームページをご覧になって下さりありがとうございます。
2021年2月の予定表を掲載いたします。

 

より画像が鮮明な「PDFファイル」版はこちら

pdf カレンダー 2021年2月.pdf (0.18MB)

 

 

 

【2月の柔道体験会】

 

・14日(日)・28日(日)

 

・体験料:無料

 

・子ども対象(幼児・小学生)
 10時~11時

 柔道遊び、柔道の基本練習(受身・技)・古典の素読 など

 

・中高生、大人対象
 13時~14時

 柔道トレーニング、柔道の基本練習(受身・技)、柔道精神を学ぼう など

 

 

初心者向けの楽しいメニューです😄柔道衣は使用しません。
どうぞお気軽にお申し込みください。

見学・体験は平日も随時受け付けております。

 

お申し込みはこちら

https://shojukan.com/contact

 

 

 

2021-01-27 16:53:00

咲柔館コラム46 白鳥の水かき~水面下を想像する力~

 

 我以外皆我師(われいがいみなわがし)。これは、作家の吉川英治さんの言葉です。「全ての人から学ぶ姿勢」を持つことで、多くの気づきや学びを得られます。常にこのような謙虚さを持ちたいものですね。

 私は、人に教える中で気づかされたことが沢山あります。咲柔館の塾生様たち、教員時代の教え子たちから学んだことは数えきれません。今日は、ある教え子から学んだことをご紹介したいと思います。

 

 

 

 その生徒は、全日本ジュニア強化選手に選ばれるほどの実力者でした。普段はおとなしい性格なのですが、試合中は一変し、闘志にあふれます。技の一つひとつは美しく、ダイナミックで、繊細かつ大胆な試合運びに、近くで観ている私も興奮と感動を覚えました。そんな彼女の乱取り(実戦練習)は、まるで「投げ込み」です。相手が誰であっても一瞬の虚をつき、一気に投げきります。学校内の稽古では、「敵なし」という感じでした。

 

 

 

 卒業式が間近に迫ったある日の稽古後、彼女とこんな話をしました。

 「ここまで誰でも簡単に投げれると、学校の稽古は楽だったかもしれないね。」もっと稽古メニューを工夫したり、出稽古に連れて行ってあげればよかった、という反省からの発言でした。しかし、彼女が言った一言に、私は、はっとさせられたのです。

 「3年間で楽だった稽古は1日もありません。」

 

 

 

 彼女は「稽古の虫」でした。出稽古では、1番強い人に1本目からお願いをする。大学進学が決まってからは、苦手なランニングトレーニングにも力を入れる。遠征中も一流アスリートが書いた本を読む。そして、何より普段の稽古では、徹底的に自分を追い込む。「より良い技で投げる」「より多く投げる」という課題を自らに課し、常に自分自身と戦っていたのだと思います。そんな彼女の稽古が、楽なはずありません。このような姿勢で3年間柔道と向き合い続けたからこそ、中学校時代目立った実績がなくても、胸に日の丸をつけられたのでしょう。

 「白鳥の水かき」(鴨の水かき)という言葉があります。華麗に泳いでいる水鳥が、水面下では激しく水をかいているように、簡単に目標を達成したように見える人も、実は裏で地味な努力を、誰も真似ができないくらい積み重ねているものです。彼女に軽率なことを言ってしまった当時の自分を恥ずかしく思います。普段の様子をもっとよく観ること、人知れずコツコツと続けてきた過程を想像することの大切さを彼女から教えてもらいました。

 

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 咲柔館の塾生様を拝見していると「柔軟性が増したなあ」「受身がうまくなったなあ」と驚くことがあります(子どもクラス・大人クラス共にです)。そのような方にお話を聴いてみると、普段の稽古にプラスして、お風呂上がりにストレッチをしたり、自宅で受身の練習を行ったりと、「陰の努力」をされていることが多いです。本当に頭が下がります。

 これからも「成功、成長の陰には、地道な積み重ねがある」ということをしっかりと心にとどめ、日々の稽古や道場運営に向き合ってきます。水鳥のように涼しげな表情で泳げるかは分かりませんが、とにかく一所懸命水をかいて、前に進んでいきます。

 

 

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※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/nb113e9507ddb

 

2021-01-23 16:42:00

咲柔館コラム45 「心の握力」を鍛えよう~心と心をつなぐ柔道~

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 握手をした時に、相手の気持ちが何となく伝わってきた経験はありませんか。マラソン界の名将であった小出義雄監督は、握手を通して「勝つ人の感触」を学ぶよう選手に勧めていたそうです。

 

※「 」内が小出監督の言葉です。

女の子には、「会社に入ったら、課長とか部長、役員と握手をしろ」と言う。

「手の感触をつかんでほしいんです。」

握手をすれば、その人がわかると言うのだ。

これはただの見分け方ではない。

自分がどうしたら勝てるかと考える練習でもある。

手の感触で、どういう人が勝てるかを学ぶのだ。

「握手をして、どういう人が課長になったか、部長になったか、役員になったか、感触を通して自分で考えるんです。そうすると、共通したものがあるのです。自分が勝ちたいという意欲も芽生えてくるんです。」

(『本当の生きる力をつける本』 小出 義雄+中谷 彰宏 著/幻冬舎)

 

 

 

 組むと相手の実力がわかる。これは、柔道経験者であれば実感したことがあるでしょう。組むことで伝わってくるのは、力だけではありません。相手の気持ちまで伝わってきます。これは、海外の方と柔道をする時も同様です。言葉が通じなくても、1回乱取りをしただけで一気に心の距離が縮まります。私も海外の方と柔道をしたことがありますが、あっという間に仲良くなれました。柔道は人と人の心をつなぐすごい力があります。

 

 

 

 柔道は投げた後も相手とつながっています。いわゆる「残心」です。投げた時に引き手をしっかり引くことで、相手の怪我を予防します。

 

「ケガ予防には引手を引くタイミングが重要であろうと考えます。引手の強さが相手にけがをさせるという意見もありますが、引手を引くということは、崩しの中で相手の重心を動かすことと合わせて、投げられて動いていく相手に手を引くことで横回転(縦に動く人に、先端から少し下の位置で動かす)を生み出していくことになろうと考えられます」

(『柔道とは、柔(やさ)しい道である。』 米田 實 著・宮崎 誠司 共同執筆/ベースボールマガジン社)

 

 

 

 柔道は常に相手とつながっています。そうした日々の稽古を通して、相手の心を想像する力、相手を思いやる姿勢が自然と養われていくことが柔道の素晴らしさです。柔道は「相手と直接つながるコミュニケーション」とも捉えることができます。

 IT技術の発達によりコミュニケーション手段は変容し続けています。直接会わなくてもコミュニケーションをとれる便利な時代になりました。しかし、「フェイス・トゥ・フェイス」のつながりも重要です。直接人と会うことでしか分からない「情報」、得られない「喜び」もあります。

 柔道は心と心が直接つながる力、つまり「心の握力」を鍛えられる武道です。柔道精神をきちんと理解した方同士が組み合って稽古すると、お互いの関係性はより深まります。だからこそ、友達を作るのが苦手なお子さん、人づきあいが苦手な方にも、柔道をおすすめしたいです。きっとコミュニケーションスキルが少しずつ向上すると思います。何より「柔道友だち」というかけがえのない仲間もできますよ。

 皆さんも柔道場で「心と心がつながる楽しさ」を感じてみませんか。

 

 

 

※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n9d613988e04c

2021-01-21 16:39:00

咲柔館コラム44 「世界チャンピオン」と戦って感じたこと🏆

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 私は過去に2人の世界チャンピオンと試合をしたことがあります。鈴木桂治さん(2004年アテネオリンピック100㎏超級 金メダリスト)と棟田康幸さん(2003年大阪世界柔道選手権大会100㎏超級・2007年リオデジャネイロ世界柔道選手権大会無差別級 金メダリスト)です。

 

 

 

 鈴木選手とは高校2年生の時に、ある招待試合(団体戦)で試合をしました。当時の私は、国士舘高校1年生の鈴木選手を全く知りませんでした。それは監督も同様だったようです。「綾川がポイントをとって、あとの4人はしのぐ(引き分け)」という、恐ろしい作戦を試合前に告げられました。ただ、一緒に団体戦を組んでいた後輩が鈴木選手と同郷(茨城県)であり、彼の強さを良く知っていたのです。試合直前に、後輩が私に耳打ちをした「先輩、鈴木はやばいですよ。」という言葉に全身が震えました。

 試合の展開は今でもはっきりと覚えています。私は開始早々にかけられた内股で宙を舞ったのですが、何とかうつ伏せでしのぎました。「寝技が強い国士舘」という情報は熟知していたので、私は必死で亀(防御姿勢)になります。ところが、組み手を持ったままの鈴木選手は軽々と亀になっている私を立たせ、もう1回内股で投げました(寝姿勢なのでポイントはありません)。そのまま袈裟固で抑えられ一本負けです。組み手の速さ、技の巧さ、試合展開のスムーズさ、どれをとっても高校1年生とは思えない一流の技術でした。

 

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鈴木桂治先生(国士舘大学柔道部 総監督)

 

 

 

 棟田選手とは大学4年生の全国大会(団体戦)で試合をしました。日本武道館の電光掲示板に「棟田ー綾川」と掲示されているのが信じられず、まるで夢の中にいる様に感じました。

 組んだ瞬間の印象は「岩」です。全く崩せる気がしませんでした。何とか1度だけ自分の得意とする相手の片脚を持ち上げる大内刈をかけて、お互いにもつれましたがポイントはありません。その後、私が払腰をかけますが、裏投で返され一本負け。投げられる直前に見た、私の腰のあたりを抱える棟田選手の太い両腕が忘れられません。信じられない程の圧力と、技の受け方・かけ方の巧さがとても印象的でした。

 

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棟田選手に負けた直後の私です…

 

 

 


 対戦当時のお二人は世界チャンピオンではありませんでしたが、明らかに「住んでいる世界が違う」と肌感覚で感じました。全く勝てる気はしませんでしたが、柔道界を代表するお二人と試合をさせていただいたことは今でも大きな財産となっています。本当に良い経験をさせていただきました。

 一流に直接触れることで、大きな刺激を受けることができます。現在は、YouTubeなどで多くの試合や優れた技術講習の動画を観ることができ、とても便利な時代になりました。ただ、直接観たり、組んだりしたからこそ分かることも多くあります。塾生様たちにも、ぜひそんな経験をしていただきたいです。いつか文武一道塾 咲柔館にも世界で活躍された方をお呼びしたいと夢見ています。世界と戦った技術を教えていただいたり、海外での様々な経験を伺いたいです。きっと塾生様たちの柔道に対する想いはより強くなり、そして一生の思い出になることでしょう。

 そんな日が来ることを楽しみに、今日もコツコツと道場運営を続けていきます。

 

 


※「note
」より転載
https://note.com/shojukan/n/n9456a33f3886

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