おしらせ

2024-03-12 12:37:00

📝Jキッズフェスタふり返り②(柔道遊び編)~畳の上で遊びが生まれる~

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咲柔館コラム271
Jキッズフェスタふり返り②(柔道遊び編)~畳の上で遊びが生まれる~

 

 

 

 

  「柔道遊び」という言葉を初めて知ったのは、約5年前。当時務めていた柔道教室「文武一道塾 志道館」やNPO法人「judo3.0」主催のワークショップで知りました。「柔道遊び」というのは、「畳」「柔道衣(帯)」「裸足」といった柔道の特性を生かした遊びです。遊びを通して基礎体力を向上させたり、柔道の基本動作を身につけることができ、またお互いに近づく(組み合う)ことも多いのでコミュニケーション力の向上も期待できます。

 

 

 

 

 私は5歳から柔道をやってきた中で「道場で遊ぶ」という発想が全くなかったので、初めて柔道遊びを見た時は驚きました。「柔道場で遊んで良いのだろうか…」という戸惑いも少しありました。でも、実際に柔道遊びをしているお子さん達を見て、本当に生き生きしていることに気づいたのです。

 50mダッシュを5本やるより、鬼ごっこで5分遊ぶ。このトレーニングから遊びへの転換が、私が幼少期のお子さんたちに柔道を教えるようになってからの1番の変化だと思います。遊びの中で自然と体を鍛え、色々な動きを身につける。そして、体を動かす面白さ、みんなで一緒に運動する楽しさ知る。柔道を遊びを通して、生涯にわたって柔道やスポーツを続ける姿勢を養っていくことも柔道遊びの大きな目的です。

 

 

 

 

 Jキッズフェスタでも、この柔道遊びを試合前の準備運動として取り入れました。各道場の先生方や中学生・高校生も参加し、約100人での柔道遊び。礼法を取り入れたゲーム、体全部を使ったじゃんけん、帯を持ってみんなでつながる鬼ごっこなど、色々な遊びをみんなで楽しみました。

 柔道遊びのポイントは「先生も一緒に遊ぶ」ことです。もちろん、指導者として安全面の配慮を常に行うことが大前提ですが、「しかめっ面で腕組み」では、子どもは緊張してしまいます。今回参加してくださった先生方は、ニコニコ笑顔で子ども達と一緒に遊んでくれました。そのお陰で、お子さん達の心と体はぽかぽかに温まったようです。

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 現在も色々な道場で新しい柔道遊びが生まれ続けており、SNS等でその一部を見ることができます。柔道では使わない、ボールやフラフープなどの道具を使った柔道遊びもありますよ。以前、見学に伺ったある道場の先生は「柔道遊びは、必ずしも柔道につながらなくていいんです。柔軟な発想で子どもを楽しませる。子どもの発育・発達を促す。これが1番大切です。」とおっしゃっていました。柔道遊びの開発には、他競技を取り入れてみても面白いかもしれませんね。

 子どもは遊びの天才です。子どもたちが遊びを生み出すこともあります。Jキッズフェスタでは、乱取りタイムに乱取りゾーンとは別に「遊びゾーン」も設けました。ここは、乱取りに疲れたお子さん達が休んだり、自由に遊びまわって良い場所です。お子さん達は、道場や小学校の垣根を越え、自分たちで決めた色々なルールの鬼ごっこを楽しんでいました。

 この鬼ごっこについて、咲柔館のあるお子さんが柔道ノートにこう書いています。

 

「この日は7時間も柔道場にいました。こんなに柔道場にいたのははじめてです。最後の乱取りタイムは、とちゅうでつかれてしまったので、おにごっこをすることにしました。みんなでできてとても楽しかったです。」

 

 疲れたので鬼ごっこをする。楽しい遊びは別腹ならぬ「別エネルギー」のようです。子どもの元気は本当にすごいですね。

 これからもお子さんたちが笑顔になり、心・頭・体の成長につながる面白い柔道遊びを開発・実践していきたいと思います。もし、おすすめの柔道遊びがありましたら、ぜひ教えてくださいね。

※次回は「親善試合編」です。

 

 

 

 

「柔道をやることで、人生はより豊かになる」

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」

文武一道塾 咲柔館




※noteより転載
https://note.com/shojukan/n/ndc39d8c84e50