おしらせ
2021-12-16 18:25:00
地域フリーペーパー「iFree」インタビュー記事紹介
咲柔館コラム128
地域フリーペーパー「iFree」インタビュー記事紹介
栃木市を中心に配布されている地域フリーペーパー「iFree」にインタビュー記事を掲載していただきました。今回はその全文をご紹介いたします。
栃木の未来を担う「情熱人」(じょうねつびと)
元中学・高校の国語教師という経歴を活かし、柔道と学習を行う「寺子屋」的な柔道教室「文武一道塾 咲柔館(しょうじゅうかん)」経営されている館長 綾川浩史さん。2020年、栃木駅近くに道場を開館され、現在は子供から大人まで幅広い世代の方たちが通われているそうです。
綾川
栃木県は柔道の競技レベルが高く、日本、世界のトップで活躍する選手も多いです。ただ、当館は「大会で勝つ」「オリンピック選手を目指す」といった競技力向上よりも、柔道を通した「心と頭と体の成長」を重視した教育を行っております。子どもクラスにおいては、基礎体力の向上だけでなく、礼儀作法やコミュニケーションスキルなど「人間的成長」を期待されている保護者様が多く、ある方は「柔道を通して、子どもに『生きる力』を身につけさせたい」と仰っています。
綾川さんは5歳の頃に柔道を始められました。しかし、幼少期は運動が嫌いで、更に武道に厳しさを求める時代だったこともあり、小学生当時は柔道を楽しいと思える事は少なかったそうです。真剣に柔道に向き合い出したのは高校生から。全国大会出場という夢を持ったことで、成長を遂げます。文武両道を大切にする学校だったため、柔道だけでなく、学習面にも力を注いだそうです。柔道の技を研究する際には、物理の先生に「この技は物理学的に見てどうですか?」と質問をしに行くなど、「考える柔道」を大切にしました。こうして高校時代に何人もの先生に目標達成のサポートをしていただいた経験が、後に教師の道を目指すきっかけになったそうです。
綾川
「全国大会に出る」という大きな夢を叶えるために心を入れ替え、特に高校2年生からは、今まで以上に学習面にも力を注ぎました。自分は甘いと自覚していたので、教室の座席はいつも最前列を希望していましたね。授業時間内に学習内容の全てをインプットすると決め、電車通学の時間に読むものも漫画から英語や古文の単語帳に変えました。
そうしたことで、まず学業成績が伸び、それを追うように柔道でも生まれて初めて県3位に入賞することが出来ました。勉強で培った思考力、応用力、何より問題解決に向けて粘り強く向き合う姿勢が、柔道にも活かされました。私は「心が変われば」という言葉を大切にしています。「心」が変われば、「行動」、「習慣」、「人格」と順番に変わっていき、そして、最終的にはその人の「運命」まで変わります。私は、高校時代に「柔道と学業の両方に全力を尽くそう」と決意したことで、全国大会出場という夢を叶えられました。柔道と学習はつながっています。道場名に入っている「文武一道」という言葉には、そんな想いを込めました。
柔道場を開館しようと思ったきっかけは、教員になりたての20代前半にまでさかのぼります。当時、綾川さんは部活動後の時間を使ってイギリス人の友人に柔道を教えていました。ある日、彼の夢を聞く機会があり、「母国でキックボクシングと柔道を教える道場を作りたいんだ。数年後、イギリスに帰るから一緒に来ないか?」と誘われたそうです。その時は、教員になって間もなかったこともあり、断わったものの、「道場経営を生業にする」というビジョンは、綾川さんの心にずっと残り続けました。
現在、その彼はイギリスで夢を叶えています。キックボクシングの道場を2つ経営し、門下生はなんと500人以上。2019年に来日した際には再会し、大きな刺激を受けたそうです。
綾川
2019年の夏、興味を持っていた専業の柔道場「文武一道塾 志道館」(東京都)を訪問し、柔道場運営、経営について教えていただきました。その時の衝撃を今でも忘れません。子どもクラスのメニューは、柔道と遊びを融合させており、今までの稽古のイメージが覆りました。柔道場で勉強をするお子さんたちの姿にも驚きましたね。また、日本には、大人向けの柔道場が少ないのですが、志道館では老若男女多くの塾生さんたちが楽しそうに柔道をされていました。この時の経験が、柔道場を開館することを決意した大きなきっかけです。現在、志道館とは姉妹道場提携をしており、コロナ禍が落ち着いたら交流も行いたいと考えています。
今後は、色々なイベントを開催したいです。例えば、「色々な道場で混合チームを組む」「指導者が試合中にアドバイスをしない」、そんな「ちょっと変わった大会」を通し、お子さんたちのコミュニケーション力や主体性を伸ばしたいと考えています。また、自然の中でトレーニングをする「柔道キャンプ」、「他地域への遠征」、オリンピアンなど一流選手をお招きした「講習会・講演会」もやってみたいですね。
綾川さんは、塾生さんたちの1年後2年後、そして10年後にも活きる指導を常に心がけているそうです。「柔道は魔法ではなく、人をすぐに変えることはできません。しかし、柔道には、長い目で見て、人生を豊かにするヒントが沢山詰まっています。」と語っていました。柔道を通して「人を育てる」「人を笑顔にする」、それが綾川さんの目指す柔道場の姿です。
綾川
道場に通われているお子さん・中学生・大人の方たちの殆どが初心者です。受身から一所懸命練習し、一歩ずつ上達されています。皆さんが楽しそうに柔道をされているお姿を見る時が1番嬉しいです。そんな時、「この道を選んでよかったなあ」と心から思います。
文武一道塾 咲柔館は、「自分に柔道は向いていない」と思う方でも、一から楽しく柔道を学べる道場です。ぜひお気軽に見学・体験にお越し下さい。皆さんと道場でお会いする日を楽しみにしています。
インタビュー記事は以上です。
「iFree」は栃木市、近隣地域に約4万部配布されています。「iFree」を見かけた方は、ぜひ直接ご覧になってください。この記事をきっかけに、新たなご縁が生まれることを楽しみにしています。
※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n083c48b7f72f