おしらせ
2021-12-27 18:53:00
はいボール【子どもクラス】
咲柔館コラム130
はいボール
名前を呼んだ時に「はいっ!」と大きな返事が返ってくると、とても気持ちが良いです。咲柔館では、大きな声ではっきりと返事することを大切にしています。ただ、名前を呼んでも無反応だったり、うなずくだけのことも時々もあります。う~ん…、これは少しさみしい…。
そこで考えた遊びが「はいボール」です。
〈ルール〉
① 相手の名前を大きな声で呼んでから、ボールを投げる(メンバー内の誰でもよい)
② 呼ばれた人は、大きな声で「はい」と返事をしてボールを受け取る。
① ・②を繰り返し、タイマー(1分程度)が鳴った時にボールを持っていた人が負け。
とてもシンプルな遊びですが、思いの外盛り上がります。「〇〇くん!」「はいっ!」「〇〇ちゃん!」「はいっ!」と元気な声が道場内に響きます。この遊びは「言葉のキャッチボール」を可視化したものです。投げたボールを受け取ってくれると同時に、呼んだ声にも反応してくれる。何気ないことですが、小さな喜びを感じます。勝った子も、負けた子も、みんなが笑顔になれるコミュニケーションゲームです。
ただ、返事について、お子さんたちには2つの留意点を伝えてあります。1つ目は、「場所によって音量を調整すること」。大きな声を出せるのは良いことですが、TPOに応じた音量で返事をすることも大切です。「図書館で名前を呼ばれた時は、どれくらいの音量かな?」「外で遊んでいる時はどれくらい?」と色々な場面を想定した練習も行っています。2つ目は、「自分の意志を大切にすること」。今練習している「はい」は、「聞こえました」や「言っている内容を理解しました」という意味の「はい」です。当然のことですが、自分の意志を「はい」以外の言葉で伝える力も養わなくてはいけません。反射的に「はい」と言うだけの習慣を身に着けないように気をつけています。そのために「今日はどの技を練習したい?」「学習時間は何をやる?」といった、「はい」「いいえ」だけでは答えられない質問もするように心がけています。
さわやかな返事ができ、自分の考えをはっきりと伝えられる。お子さんたちには、そんな人物に成長してほしいと思います。
「はいボール」を始めてから、返事の声が大きくなっただけでなく、明らかに稽古の熱量が上がりました。整列や体操の号令が大きくなり、古典の素読も以前より声が出ています。やはり、自分から元気を出すことは大切ですね。これからも、心の準備体操としてこの遊びを続けていきたいと思います。大きな声ではっきりと返事する習慣が、お子さんたちの10年後、20年後にも生きてくれたら嬉しいです。
※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n7e1194caf722