おしらせ
2023-08-31 10:07:00
📝「昇級試験で成長する子どもの心技体」(子どもクラス)
咲柔館コラム243
昇級試験で成長する子どもの心技体
咲柔館では8月から9月にかけて、昇級試験を実施しています。私がこの昇級試験で大切にしているのは、「昇級試験を通じた成長」です。昇級したという「結果」だけではなく、その「過程」においても小さな成長や自信を得られるような試験にしたいと考えています。
また、昇級試験では、自分がやっている時だけ頑張るのではなく、「人の試験を見る姿勢」も大切にしています。見ることで、どんな受身・技だと合格(不合格)になるのかという基準を知ることができます。また、人が頑張る姿に刺激を受けたり、人が頑張っているのを応援する姿勢を養うことも大きな目的です。
昇級試験を前に、まずお子さん達に昇級条件を明確に示しました。今回の昇級試験は、お子さんそれぞれの柔道経験や力量に合わせ、10級から3級を実施しています。昇級条件は、約20項目です。その内容は、技や受身といった柔道の技術だけではありません。例えば、以下のようなものも含まれます。
・柔道を作った人を言える(漢字で書ける)。
・柔道精神を言える(漢字で書ける)。
・立礼、座礼が正しくできる。
・柔道衣を自分で着られる。
・柔道衣を自分でたためる。
・時間を守れる(稽古開始、休憩など)
これらの項目が書かれた表を、各自の「振り返りノート」に貼ります。昇級試験は小分けに行っており、1回の稽古につき10分程度です。できた項目は、その都度私が○をつけていきます。全ての項目が○になれば昇級です。
お子さん達は、本当に粘り強く頑張っています。なかなか○にならない項目に対しても、「☓だったけど、もう1度やってみる。」「今日できなかったけど、来週またやってみるね。」と前向きに努力し続けています。努力によって出来るようになった喜びを1回でも多く味わってほしいです。
「嘉納治五郎」と何度も指で書いていました。
漢字練習の成果を発揮中。
全てのお子さんが、今回の昇級試験で合格するかは分かりません。もちろん、試験を受けている全てのお子さんに新しい色帯を締めさせてあげたいです。ただ、甘い評価でとりあえず○をあげ、合格させてしまうことは、本人にとってプラスになりません。1度変わった帯の色は、元に戻らないからこそ、昇級させる側としての責任があります。その級に見合った力量や振るまいが身についた時点で、帯の色を変えたいと思います。
8月の昇級試験を通じ、お子さん達に少しずつ変化が現れてきました。それは、技術面や体力面だけではありません。柔道衣のたたみ方が丁寧になったり、礼がきれいになるなど、柔道家としての心にも変化が見られるようになりました。中には、嘉納師範の生涯に興味を持ち出したお子さんもいます。
昇級試験には成長の種が沢山あります。その種から少しずつ芽が出てきたようです。いつか花を咲かせ、実がなるのを楽しみに、まずはじっくり、ゆっくり、根を張るように、それぞれのお子さんのペースに合わせて昇級試験を行っていきたいと思います。きれいな色帯を締めたお子さんたちが稽古をしている姿を見るのが楽しみです。
「柔道をやることで、人生はより豊かになる」
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/nd762c76f2a5e