おしらせ
2022-05-15 07:28:00
コラム「形(かた)の稽古の面白さ」(中高生・大人クラス)
咲柔館コラム161
形(かた)の稽古の面白さ
初心者の方やブランクがある方が、乱取り(実戦練習)で投げたり、投げられたりするのは簡単ではありません。無理な技のかけ方をしたり、受身がタイミング良くとれないと怪我にもつながります。そこで、咲柔館の中高生・大人クラスでは良い技と受身をしっかりと身につけるために、「形(かた)」の稽古を取り入れています。
形とは、柔道の代表的な技を体系的にまとめた伝統的な練習法です。取(とり:投げる側)と受(うけ:投げられる側)に分かれ、決められた手順で攻防を行います。一連の攻防を反復練習することで、取は技の合理的なかけ方を頭だけでなく、体で理解することができ、受は受身の上達につながります。
形は乱取りと違って、お互いの動きが決まっている分、一見簡単に思えるかもしれません。しかし、取と受が息を合わせて正確に動くことは、想像以上に難しいです。2人の呼吸が合わないと、技は上手くかかりません。そこが形の奥深さ、面白さです。
今月は「浮落(うきおとし)」「支釣込足(ささえつりこみあし)」という技を練習しています。まずは、組み合わずに取、受それぞれの動きの確認からスタートです。ある程度動けるようになったら、次は組み合って技をかけてみます。やはり相手がいると緊張するものです。左右逆の動きをしてしまったり、タイミングがずれたりと、うまくいかない場面が沢山出てきます。しかし、そういったことこそが大きな学びです。どうしたらうまい技、安全な技がかけられるのかを考えるきっかけになります。
何度も練習を繰り返すことで、少しずつ動きが体に入っていくものです。1つの技を1ヶ月位稽古すると、考えなくても自然に動けるようになります。お互いの息がぴったりと合い、技がきれいにきまると、とても気持ちがよいですよ。
柔道では「形は文法、乱取りは作文」という関係に例えられます。形で技の原理原則を理解する。そして、理解したことを他の技にも応用し、乱取りで使ってみる。この一連の稽古を繰り返すことで、力だけに頼らない良い技が身につき、潔い受身も習慣化されます。
今後、昇級・昇段審査を受ける予定の塾生様もいらっしゃいます。審査の際に、自信を持って美しい形ができるようになるためにも、こつこつと稽古を続けていきたいと思います。形ができるとすごくかっこいいですよ。みんなで形の稽古を楽しみましょう。
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n61e4ee2ebf2b
2022-05-12 09:56:00
「出前柔道教室」を再開しました
約1年ぶりに「出前柔道教室」を再開いたします。
文武一道塾 咲柔館の稽古を慣れしんだ場所で体験してみませんか。
過去に行った「出前柔道教室」については、こちらをご覧ください。
↓↓↓
咲柔館コラム「はじめての『出前柔道教室』」
https://note.com/shojukan/n/nd50d8b37bebd
保育園、幼稚園、小学校、柔道部がない学校、福祉施設など、様々な場所でお役に立てれば嬉しいです。出前でも熱々の柔道をお届けしますよ!
詳細につきましては、こちらのページをご覧ください。
↓↓↓
https://shojukan.com/free/demaejudo
2022-05-11 20:00:00
コラム「地域を照らす沢山の灯火」
咲柔館コラム160
地域を照らす沢山の灯火
自分たちの街をもっと良くしたい。咲柔館がある栃木市には、地域を愛する方たちが沢山いらっしゃいます。そんな皆さんの力で復活させたイベントが「とちぎ蚤の市」です。「蚤の市通り」という道があるほど地域に根付いた一大イベントだったそうですが、出店数の減少に伴い、2011年に惜しまれつつも終了。そんな伝統あるイベントを復活させようと声を上げたのが、雑貨や野菜も販売しているカフェ「フロッグスガーデン」さんと市民グループ「TOCHICO日和」さんです。熱い思いに引き寄せられ、県内外の飲食店、雑貨店など約30店舗が集まりました。私はボランティアスタッフとして参加し、お子さんを対象とした昔遊びのコーナーをお手伝いしました。
蚤の市が開催された5月5日は、復活を祝福するかのような快晴。他のイベントも開催していたこともあり、栃木市は多くの人で賑わいました。青空の下で美味しいものを食べる。ハンドメイド作品を手に取って見る。アーティストのパフォーマンスを観る。生演奏を聴く。街を歩く人たちは、子どもから大人までみんな楽しそうでした。人と人とがふれ合うと、自然と笑顔になりますね。1日お手伝いをしても全く疲れはなく、むしろ元気をもらったという感じです。いやあ、本当に良いイベントだったなあ。
「一燈照隅 万燈照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこく)」という言葉があります。「1つの灯火は一部分を明るく照らす。その灯火が沢山集まれば、国全体を照らすことができる。」という意味です。数人の心に灯った「蚤の市を復活させ、栃木市を元気にしたい」という灯火。その灯火は徐々に広がっていき、気づけば数え切れない数となって人々を、地域を明るく照らしました。そして、このイベントの大きな意義は、1度は消えてしまった「蚤の市」という灯火を再び灯した点にもあります。熱い心を持った方たちが集まると、こんなにも素晴らしいことができるのですね。色々と暗いニュースも多い世の中ですが、心がとても明るくなりました。
ボランティアスタッフとして関わる中で、地域の発展に尽力されている方たちとお話しさせていだく機会もありました。このご縁を大切にし、地域に根ざした活動へとつなげていきたいと思います。柔道を通して地域に貢献する。道場で郷土愛を育む。文武一道塾 咲柔館として何ができるか考え、道場がある街をより良くするために、まずは「一燈照隅」を地道に続けていきます。
「とちぎ蚤の市」を企画、運営してくださった皆さん、本当にありがとうございました。これからもみんなで栃木市を明るくしましょう。
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/ndd2522457051
2022-05-08 08:15:00
再掲載コラム「柔道に向いている子ども」(子どもクラス)
「うちの子は柔道をできるでしょうか…。」
見学や体験のお問い合わせの際に、保護者様よりこのようなご質問をいただくことが多いです。確かに、他のスポーツに比べ、柔道を始めるのは少しハードルが高いイメージがありますよね。
そこで、過去のコラム「柔道に向いている子ども」を再掲載いたします。これを読んでくださった保護者様が、「うちの子に柔道は向いているかも。」と思ってくださったら嬉しいです。
咲柔館コラム2
柔道に向いている子ども
「ねえ、君はしゃべれないの?」
幼稚園児の時、同じ道場に通っていた子どもにこう言われたことがあります。私はとても内気で、家族以外とはほとんど話すことができない子どもだったのです。更に、運動も大の苦手でした。体育の時間が苦痛だったのを覚えています。ちなみに、逆上がりができるようになったのは、大学3年生の時です…。
「柔道に向いている子ども」と聞いて、どのようなお子さんを想像しますか。体が大きい、運動が得意、気が強い子どもをイメージされる方が多いかもしれません。しかし、柔道の創始者である嘉納治五郎師範は体が小さく、しかも「いじめられっ子」でした。そこから「なにくそ!」という精神で立ち上がり続け、世界中に柔道を広められたのです。私は、体が小さい、運動が苦手、気が弱い子どもにも柔道は向いていると思います。
柔道の大会は体重別階級制で行われ、同じ位の体重の選手同士が試合をします。体重無差別の大会もありますが、「柔よく剛を制す」という言葉があるように、小さい人でも大きな人に勝てるのが柔道の魅力です。柔道には立技と寝技を合わせ約100種の技があります。色々な技の中から、自分の体型や体の使い方に合わせて技術を選べるのも柔道の面白さです。(もちろん、大会に出ること、勝つことが柔道の全てではありません。)
また、柔道を続けると体だけではなく、少しずつ心にも変化が生まれます。ある幼児のエピソードをご紹介しましょう。
A君は、幼稚園の友だちから悪ふざけで叩かれることがありました。その度にA君は怒ったり、時にはやり返そうとしていました。ところが、柔道を始めて数ヶ月後、再び友だちが彼を叩こうとしましたが、感情を荒げることなく、その手を制するだけになったそうです。その様子をたまたま見ていたお母さんは不思議に思い、「何で今日は怒らなかったの?」と聞きました。そうすると彼は、「僕は柔道を始めて、すごい力を手に入れたんだ。だから相手を攻撃しないんだよ。」と答えたそうです。
かっこよすぎます。まるで少年漫画の主人公が、不思議な力に覚醒した時のようです。A君は柔道を始めた当初、稽古中にふざけたり、お腹が空くと泣いてしまうようなお子さんでした。それが、3ヶ月後には見違えるほど礼儀正しくなり、小学生にも負けない位、自信に満ちた態度で稽古に臨むようになったのです。
トップの写真(小学1年生)から10年後の私(高校3年生)です。
家族、先生方、仲間たちに支えられ「全国大会出場」という夢を叶えることができました。
柔道には人を変える力があります。私も柔道に自分を変えてもらった1人です。もちろん一朝一夕に変われるわけではありません。稽古だけではなく、礼をする、道衣をたたむ、掃除をする、稽古の振り返りをノートに書く、といった柔道場での習慣を積み重ねていくことで、自然と心身共に成長していきます。
何かを始める前に「向いてない」と決めつけてしまい、成長の機会を失うのはもったいないです。向いているかどうかは、やってみないと、続けてみないと分かりません。柔道は「体育」「知育」「徳育」として優れた教育効果があります。お子さんに柔道をやらせてみたい方は、ぜひお気軽に柔道場に遊びに来て下さい。
(2020年8月21日投稿)
※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/ne1c865f52ac0
2022-05-04 17:53:00
コラム「柔道の『入口』を広げよう」(子どもクラス)
昨日(5月3日)は、子どもクラスイベント「友だち交流会」を開催しました。参加対象は、咲柔館の塾生と柔道をやったことがないお子さんたちです。このイベントでは、柔道の魅力を伝えると共に、道場という場所を好きになってもらうことを大切にしています。実施した内容は以下の通りです。
【実施内容】
・柔道のかっこいい「礼」をやってみよう
・大きな声で「返事」をしてみよう
・気配ストップゲーム
・オニごっこ(バナナオニ)
・チューブよけゲーム
・「受身」で身を守ろう
・「大外刈」で相手を守りながら投げてみよう
・カルタ取り
・「強さ」とは何か考えよう(勝つと克つ)
わーわー、きゃーきゃー楽しむ部分と、無言で真剣にやる部分をだいたい半分ずつ。お子さんたちは、それぞれのメニューに応じて気持ちの切り替えしっかりとしていました。これは、柔道場という「場の力」のお陰かもしれません。体だけではなく、頭もいっぱい使った2時間。昨日はぐっすり眠れたことでしょう。
多くのお子さんたちに柔道の素晴らしさ、面白さを実感してもらいたい。私はそう考えています。しかし、柔道は多くの方たちにとって身近なものではないのかもしれません。昨年12月に全日本柔道連盟のブランディング戦略推進特別委員会が、社会における柔道のイメージを把握するため、オンラインアンケートを実施しました。その中で、柔道に対して「親しみやすい」と回答された方は、全体の2.7%。多くの方が、柔道の入口は狭く、一部の人だけがやるもの、観るものというイメージを持たれているようです。とほほ…。
ブランディング戦略推進特別委員会「柔道のこれからを考える!」
アンケート結果
↓
https://www.judo.or.jp/news/9089/
柔道場は楽しいところ。まずは、お子さんたち、保護者の皆さんにそのようなイメージを持ってもらいたいです。そのためにも、道場で遊ぶ、学ぶイベントをこれからも続けていきます。柔道場で笑顔になってほしい。柔道家を増やして社会をよりよくしたい。それが私の願いです。
柔道の入口を広げる活動を熱心に続けられている先生は、日本中に沢山いらっしゃいます。みんなで力を合わせれば、きっと大きな変化を生むでしょう。私も、少しずつ柔道の入口を広げていきたいと思います。柔道にご興味がある方は、お気軽に道場に遊びに来てください。
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n8ad29906f90f