おしらせ

2021-10-14 21:39:00

咲柔館コラム114 「考える柔道」のレベルアップ~振り返りノートを使った成長~【子どもクラス】

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 咲柔館の小学生は、稽古後に振り返りノートを書いています。書く内容は、①今月の稽古目標の達成度(5点満点)②自由作文(学んだこと・気づいたこと・できるようになったこと・嬉しかったこと・これからの課題など)です。

 今日稽古に参加したお子さんは、乱取りで相手を引き出す大内刈がきれいにきまりました。見事な一本です。稽古後にその瞬間を振り返り、「なぜ一本をとることができたのか」をノートに書いていました。

 

 

 

〈原文〉 

なぜ一本をとれたのか(大内刈)

じぶんの力で相手をおして その後相手もおしかえした時に力をぬいて 相手の力をりようしてわざをかけたから。

 

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 投げることができた理由をきちんと理解しているようです。特に「脱力」や「相手の力を利用する」という柔道のコツを分かっている点には驚きました。とても成長を感じます。 

 

 

 

 咲柔館では「考える柔道」を大切にしています。「なぜ」受身が必要なのか、「なぜ」投げる時に引き手を引くのか、「なぜ」技がかかるのか、「なぜ」礼をするのか。子ども達自身が考えて出した答えは、頭の中にしっかりと残ります。更に学んだことはノートに書くので、何度でも復習できます。

 お子さん達の「考える柔道」のレベルが少しずつ上がってきました。徐々に再開している乱取りや寝技など、色々な場面で発揮されるのが楽しみです。これからも柔道を通して、体だけでなく、頭も鍛えていきます。




※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/ndb5402776e1a




2021-10-13 13:32:00

咲柔館コラム113 私の得意技②「掬投(すくいなげ)」~投げられまくって覚えた技~

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 掬投は、高校時代同じ階級(当時95㎏以下級)の先輩が得意としていた技です。その先輩は受けが強く、相手の技をよく掬投で返していました。私も例外ではありません。技をかけるのが嫌になる位、投げられまくりました。自分の技が柔らかく吸収される感覚、そこから高く持ち上げられ、気づいたら投げられている感覚。その時の感覚を今でも覚えています。「う~ん、悔しい!」そこで私は対策を練ることにしました。

 

 

 

 相手の技を対策する際には、自分がやらない技でも、1度練習してみることが大切です。同級生にお願いし、投げ込みマットの上で何回も投げさせてもらいました。嫌な顔ひとつせずに…、と言いたい所ですが、若干嫌な顔をしつつも、投げ込みを受けたり、アドバイスをしてくれた同級生に心から感謝しています。

 何がきっかけで技を覚えるか分からないものです。掬投の対策練習を始めて1年位が経ち、技の受け方、相手を持ち上げるコツ、投げる方向などを理解でき、ちょっとずつ自分でも使えるようになりました。

 



 

 掬投は、相手の技を事前に見切りった上でかける「後の先」の要素も強いです。タイミングが上手く合えば、相手の体重を軽く感じます。ただ、私の場合は、相手の技を全力で受け止め、その後も力で投げるきることが多かったと思います。(写真の場面がまさにそうです。)

 柔道の技には、筋力が必要です。ただ、力のみで投げているように見える技の中にも、上手く投げるための理屈が存在しています。そこをしっかりと理解した上で練習を重ねることが重要です。(と、高校時代の自分に教えてあげたいです…)

 

私の得意技③につづく


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岡野功先生(※)からいただいたサイン
「後の先を制す」
※東京五輪(1964年)中量級 金メダリスト
 全日本選手権大会 優勝(2回)

 

 

 

 

※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n119734a02bdd




2021-10-12 21:03:00

咲柔館コラム112 私の得意技①「脚取り大内刈」~女子柔道選手から学んだ技~

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 孫悟空の「カメハメ波」、竈門炭治郎の「水の呼吸壱ノ型 水面斬り」。「必殺技」ってかっこいいですよね。東京オリンピックに出場した選手の皆さんも、アニメに負けないくらいかっこいい「得意技」を持っており、真似をしたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

 「得意技」とは、「相手が誰であっても一本をとれる技」だと私は考えています。そう考えると、私の技は「得意技」とは言えませんが、比較的一本をとることが多かった技をいくつかご紹介したいと思います。ただ、メジャーな技ではない上に、全ての技に「ある共通点」がありますので、これらの技を道場でお教えすることはありません。「ある共通点」とは何か。それは、最後の技の時にお話ししますね。(今回だけでも、十分わかりそうですが…)

 

 



①「脚取り大内刈」 ※正式名称ではありません。

 

 「全国大会に出場する」という夢を叶えるため高校に入学したものの、当時の私に一本をとれる技は何一つありませんでした。もちろん、乱取りや試合で相手を投げることは、ほとんどありません。勝つためのヒントはないものかと、アンテナを常に張っていました。そんなある日、テレビである女子柔道選手のすごい技を見たのです。後に五輪金メダリストになるその選手は、相手のズボンを引き上げて片脚立ちにさせ、その脚に大内刈をかけました。ピカーン!私の頭上に電球が光りました。「大内刈はケンケンで逃げられることがある。でも、相手を片脚立ちにさせ、その脚を刈れば絶対に倒れる。この選手天才!これだ!」 そう思い、何度もビデオを見直して研究を重ねました。



 

 

 そして、翌日の稽古でかけてみると、これが面白いようにかかる。味をしめた私は、そこから「脚取り大内刈」を乱取りで何度もかけるようになりました。「やっと相手を投げられる技ができた」と喜んでいた矢先、なんと監督からこの技の「禁止令」が出されたのです。せっかく開けた道を閉ざされ、ショックでした。ただ、今なら高校1年生の私に対するその指導が、いかに正しいものだったか分かります。この技ばかり使うと、他の技や引き手の使い方を覚えなくなる。先を見据えた適切なアドバイスでした。

 しかし、当時の私にとって目の前の勝利の方が大切です。「脚取り大内刈を極め、試合で一本をとれるようになれば先生も許可してくれるはずだ」。そう信じ、叱られても、かけてかけてかけまくりました。その結果、試合でも一本をとることが増え、いつしか注意されなくなっていました。



 

 

 この技は、高校2年生の時に出場した全国大会(写真参照)や大学生、社会人になってからも使い続けた思い出深い技です。おそらく、競技人生の中で1番かけて、一本をとった技だと思います。技の弱点や、ジュニア期にまず覚えるべき技ではないことも十分理解しています。それでも、私にとって柔道人生を切り開いてくれた大切な技です。ヒントをくださった女子選手に改めて感謝します。

 

私の得意技②につづく

 

 

 

※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n0aa469f08d4c


2021-10-09 17:19:00

咲柔館コラム111 柔道場は「学び場」であり「遊び場」【子どもクラス】

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 土曜日の子どもクラスは、11時30分に終了です。ところが、本日稽古に来たお子さんたちは、12時頃まで道場にいました。





Q・稽古後、お子さんたちは何をしていたでしょう?

 

①稽古のおさらいをしていた

②読書をしていた

③ノーベル賞をとる方法を話し合っていた

④鬼ごっこをしていた

 

 

 

 答えは、写真を見れば一目瞭然ですね。お子さんたちは、鬼ごっこをしていました。お迎えについて来た妹さんたちも交え、ワーワー、キャッキャ言いながら遊んでいる光景は、見ていて心が和みます。お子さん達は、年齢が違う同士でも遊べる内容・ルールをきちんと決めていたようです。途中、小学生が動物歩きになるという謎のルールもありましたが、とにかくみんなが楽しんでいました。

 最近では、このように幼児と小学生が一緒に遊ぶ機会は減っているのかもしれません。異年齢のお子さん達が、オンラインではなく、実際に相手の体温、呼吸を感じながら遊ぶ経験は、子どもの成長にすごく重要な気がしています。

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 柔道場は、礼儀を重んじ、けじめを教える「学び場」です。ただ、ルールを守り、安全に、相手への敬意を持って行うならば「遊び場」という機能を持ってもよいと考えています。畳の上をはだしで元気にかけまわっているお子さんたちは、本当に楽しそうです。遊びを通して学べること、育つことは沢山ありますので、今後もこのような時間があってもいいなあと思っています。保護者様の時間に余裕がある際は、どうぞ遊ばせてあげてください。

 ちなみに、柔道をやっていない妹さんたちも、お兄さんを見習って、道場に入る際はしっかりと礼をしています。感心、感心。

 

 


※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n10ab05d3f4a1



2021-10-08 21:38:00

咲柔館コラム110 日本の裏側からこんにちは~ペル-の柔道場とのビデオ文通~【子どもクラス】

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 「細く、長く、無理なく続けましょう」を合言葉に、ペルーの柔道場「共栄館」さんとビデオ文通を行っています。先週、館長の浦田先生が動画を送ってくださったので、早速お子さんたちに見せました。今回送ってくださった動画は、新しい道場やお子さんたちの自己紹介、受身、得意技などです。

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 私はこのような機会を設けることで、お子さんたちに2つのことを学んでほしいと思っています。1つ目は、自分の国で生まれた柔道が世界中に広まっていること、2つ目は柔道を通じて海外の方と交流できるということです。私も色々な国の柔道家と交流をした経験がありますが、やはり「日本人の柔道家」というだけで一目おかれます。そして、言葉が通じなくても、組み合うだけで、すぐに仲良くなれるのが柔道の大きな魅力です。

 

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 これからも交流を続け、世界に興味を持つきっかけを作っていきます。このような経験が、地理や歴史や語学を学ぶ意欲につながり、海外の方と進んで交流できる大人へと成長してくれれば嬉しいです。

 

 

※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/ncc98d68c2c04



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