おしらせ

2022-12-04 22:13:00

コラム「柔道家としての初めの一歩」(子どもクラス)

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咲柔館コラム197
柔道家としての初めの一歩

 

 

 

 

  私が子どもの柔道指導を始めたのは、2019年の4月です。1人目のお子さんは、フランスから来た5歳の男の子。当時勤務していた「文武一道塾 志道館」(東京都)で約4ヶ月間柔道を教えました。帰国の関係で、一緒に稽古をした期間は短かったのですが、彼と一緒に柔道をした経験が子どもの柔道指導の原点です。

 彼は「さよなら」という言葉が嫌いでした。最後の稽古日にお別れするのがさみしくて泣きだした姿を今でも思い出すことがあります。彼が最後に言った言葉は「またね」。フランスで柔道を続けてくれていたら嬉しいなあ。柔道という道の上で、また彼と会いたいです。

 当時、彼との最後の稽古を「文武一道塾 志道館」のコラムで書きました。一部転載いたします。

 

 

 

 

【フランスから来たR君、母国に帰る~「道」はつながっている~】 

 

(略)

R君は、いつも明るく陽気です。お別れの日も、笑顔で楽しく稽古をするだろうと思っていました。ところが、最後2回の稽古は、いつもと様子が違っていたのです。

 

 

7月20日(土)の稽古中、「あと2回で志道館の練習は終わりだよ。一緒に頑張ろうね。」とお母さんを介してR君に言いました。すると、彼は泣きだしてしまったのです。私とお母さんは、その反応に驚きました。小さなR君も、お別れが近づいていることを理解していたのだと思います。「受身島の冒険」で何とかいつもの笑顔に戻りましたが、その無邪気な表情を見れば見るほど、私も涙が出そうになりました。

 

 

7月27日(土)、いよいよ最後の稽古です。この日は、いつも通り元気一杯でした。しかし、最後の最後にR君は普段とは違う行動をとったのです。着替えが終わっても、なかなか柔道衣をたたみません。最近、自分でたためるようになったのに、適当なやり方ばかり繰り返します。

お母さんは、「わざと終わらないようにしているのだと思います。これで最後だと分かっているので…。Rはきっと悲しいんです。」と彼の心中を教えてくださいました。その後、彼はお母さんの側で、そっと涙を流していました。

 

 

この2回の稽古は、フランスから来られていたお父さんも見学をされ、「日本で柔道ができてよかったです。Rは柔道の本質に触れ、柔道に対する意識が変わったと思います。」とおっしゃっていました。ご両親とも「柔道は躾につながる」というお考えで、「強くなること」より「相手に対する礼儀」を大切にされています。フランスでは教育的効果を期待して、お子さんに柔道をやらせるご家庭が多いそうです。これは、本当に素晴らしい考え方だと思います。

R君は、フランスでも柔道を続けるそうです。きっと将来、立派な柔道家になってくれるでしょう。

 

 

「Rは、『さよなら』が嫌いなんです。」

お母さんは、最後にそうおっしゃっていました。だから彼は、最後まで「さよなら」は言いませんでした。お別れの時に言った言葉は、「またね!」

日本とフランスは遠く離れていますが、「柔道」という「道」で私たちはつながっています。いつの日か、またこの「道」の上で、柔道家として大きく成長した彼と会いたいです。

短い期間でしたが、彼が志道館で学んだこと、そして私が彼から学んだことは数えきれません。この出会いに心から感謝をしたいです。本当に楽しい4ヶ月間でした。

 

 

フランスでも、君らしく笑顔で柔道を頑張って!

またね!

 

 

(文武一道塾 志道館 ホームページ 2019年8月7日の記事より引用)
※全文はこちらからご覧ください。
↓↓↓
https://www.bunbuichido.net/20190807ayakawa-column/

 

 

 

 

 先月、4歳のお子さんが咲柔館で柔道を始めました。柔道衣を着る、礼をする、受身をとる、相手を投げる、彼にとって全てが初めてです。やること全てが新鮮で、とても楽しそうに毎回稽古をしています。

 最初に学んだことは、良いも悪いも一生残る可能性があります。安全で正しい技術を教えることはもちろん、柔道の心もしっかり伝えなくてはいけません。「初めて柔道を教える」というのは、とても責任が大きいことです。これからも、柔道の土台を作っているという責任感をしっかりと持ち、1回1回の稽古、1人ひとりのお子さんに心を込めていきます。

 

 

 

 

 お子さんが柔道を始めた時、責任感と同時に柔道家が一人増えたという喜びも感じています。初めて柔道衣を着た時の誇らしそうな顔、初めて受身や技ができた時の嬉しそうな顔、こういった子どもの生き生きとした表情を見る度に、道場を始めてよかったなあと思っています。お子さん達が柔道という道の一歩目を踏み出した瞬間に立ち会えていることは、本当に幸せなことです。「柔道が好き、楽しい、おもしろい」と思ってもらえるような稽古を心がけていきます。

 

 

 

 

 柔道を始めたお子さん達が、将来全国大会やオリンピックを目指して挑戦するも良し、自分のペースでのんびり柔道を楽しむも良し、柔道という道を自分の歩幅、ペースで歩き続けてくれたら嬉しいです。これからも、お子さん達の初めの一歩を応援し続けます。

 

 

 

 

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」      
文武一道塾 咲柔館

 

 

 

※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n36a9073bfd35


 

2022-11-30 12:42:00

コラム「前を見続ける高市未来選手~12月3日・4日グランドスラム東京を観戦しよう!~」

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咲柔館コラム196
前を見続ける高市未来選手~12月3日・4日グランドスラム東京を観戦しよう!~

 

 

 

 

 咲柔館には高市未来(旧姓:田代)選手のポスターが貼ってあります。私は教員時代に中学生・高校生だった高市選手の活躍を全国大会の会場で見続けてきました。各大会で鮮やかに一本勝ちをする高市選手は当時からスター性に満ちていました。きっと同世代の選手の多くが、高市選手に憧れていたのではないでしょうか。高市選手が多くの人をひきつける理由は、柔道の強さだけでなく、人間性の素晴らしさにもあると思っています。そのことを強く感じたエピソードを1つご紹介します。

 

 

 

 

 教員時代に生徒を連れ、全日本ジュニア強化合宿に行った時のことです。当時高校生だった高市選手は、稽古後も道場の隅で黙々と自主練習をしていました。「やはり、一流選手の意欲はすごいなあ。」と関心しながら道場を出ようとした時、高市選手が走ってこちらに来たのです。そして、「今日はどうもありがとうございました。また、よろしくお願いします。」と言ってくれました。私は自主練習を中断してまで挨拶に来てくれたことに感激しながら「自分は何もしてないよ。強化選手ではない本校の選手とも稽古をしてくれてありがとう。」とお礼を言いました。すると高市選手は「色々な選手が来てくださるからこういった合宿ができるので感謝しています。」と言い、一礼をしてまた自主練習に戻っていきました。1分程度の短い会話でしたが、その時のことを今でも鮮明に覚えています。

 

 

 

 

 小・中・高と日本のトップに立ち続け、このまま一気に世界の頂点まで駆け上がると思われていた高市選手でしたが、高校2年生の時に膝の大怪我をしてしまいます。その後、長期のリハビリを経て復活し、今までに2度オリンピックの代表にも選ばれていますが、ここまでの柔道人生はご本人にしか分からない苦労が沢山あったと思います。2021年の東京五輪では、まさかの2回戦敗退。そして、2022年に入ってからは、膝のじん帯を断裂してしまいした。

 私はファンの1人として「これからどうなっていくんだろう」とすごく心配していました。しかし、オリンピック以来1年3か月振りの試合となった10月の講道館杯では、なんとオール一本で復活優勝。優勝後に涙を流す高市選手の姿に心打たれたファンも多かったのではないでしょうか。苦しい時でも前を見続ける高市選手をこれからも応援したいと思います。

 

※2022年講道館杯63㎏級決勝
↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=AOsYHqOgJXM&t=6s


※グランドスラム東京2022選手紹介動画(高市未来選手)

↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=9AuLHCHkubs

 

 

 

 

 そんな高市未来選手も出場する国際大会「グランドスラム東京2022」が12月3日(土)、4日(日)開催されます。この大会は、日本人選手が各階級4名も出場するので見応え十分です。出場選手の中には、テレビなどで見たことがある方もいると思いますよ。日本代表選手と世界のトップ選手との試合が今から楽しみです。テレビでも放送しますので、ぜひご覧になってください。大会を観戦した塾生の皆さんと柔道談議をするのを楽しみにしています。

 

 

【テレビ東京系列で生中継】

12月3日(土)16:00~18:00

12月4日(日)18:30~21:00


※グランドスラム東京2022公式ホームページ
↓↓↓
https://www.judo.or.jp/gstokyo2022/

 

 

 

 

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館

 

 

 

※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/ncd63e6899632


 

2022-11-30 12:38:00

【年末年始の休館日】につきまして

いつも文武一道塾 咲柔館ホームページをご覧になってくださり、ありがとうございます。

年末年始の休館日は以下の通りになります。


【年末年始休館日】

12月30日(金)~1月4日(水)

 

今年も残りわずかとなってまいりました。12月も元気に稽古をし、良い年を迎えましょう。
皆さんと道場でお会いするのを楽しみにしております。

2022-11-28 10:15:00

コラム「大人になっても学び続ける理由」(学習イベント)

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咲柔館コラム195
大人になっても学び続ける理由

 

 

 

 

 11月27日(日)、NPO法人judo3.0代表の酒井重義さんをお招きして学習イベントを開催しました。テーマは「発達が気になる子が輝く子育て方法~体を使った遊びのひみつ~」。発達が気になるお子さんの子育て・教育にご関心がある保護者様・学校の先生・道場の先生など11名の方が参加してくださいました。なんと、茨城県、埼玉県、千葉県から参加された方もいらっしゃいました。

 

 

 

 

 今回学んだポイントは大きく分けて2つです。
①体幹(背骨)を動かす遊びを楽しくやる。(アニマル歩き・オニごっこなど)

→脳を良い状態にし、身体の不器用さを改善することで、友だちとの交流をしやすくする。

 

②問題行動を予測し、その前後を変えてみる(=応用行動分析)

→問題行動の前(きっかけ)と後(問題行動への対応)を変えることで、望ましい行動を引き出す。

 

 お子さんのアプローチ方法をちょっと変えてみることで、お子さんと親・先生が笑顔になれるのではないかと思いました。詳しい内容は割愛しますので、具体的な内容にご興味がある方は、NPO法人judo3.0が出版した書籍『発達が気になる子が輝く柔道&スポーツの指導法』をご覧になってください。

 

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 参加された皆さんは、講義中ずっと熱心にメモをとられていました。また、一方通行の学びではなく、お互いに活発なディスカッションをしたり、積極的にご質問もしてくださったので、全員で学びを深めることができたと思います。2時間の学習会後も、参加者様同士で1時以上柔道や教育に関するお話を楽しそうにされていました。皆さんの学ぶ姿勢には頭が下がるばかりです。

 

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 なぜ、お休みの日に大人の方たちが勉強をするのか。それは、愛する子ども達を笑顔にしたいからだと思います。今回参加してくださったある道場の先生が、学習会後にご自身のTwitterでこうおっしゃっていました。

 

「何度言ったらわかるんだ!」

この言葉が道場や学校、家庭の中から聞こえなくなってきた時、多くの人がより幸せに暮らせるのかなぁと思います。日々精進!これからも積極的に知識を蓄え、勉強していきます

 

 日曜日にも関わらず、子育て、教育について熱心に勉強される皆さんのお姿を拝見し、希望や勇気や元気が湧いてきました。今回このような学びの場を設けることができ、本当に良かったです。

 最後になりますが、参加してくださった皆さま、そして、このイベントを色々な場で宣伝してくださった皆さま、本当にありがとうございました。咲柔館はこれからも「文武一道塾」として、様々な学びを大切にしていきます。また一緒に勉強しましょう。

 

 

 

 

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」      
文武一道塾 咲柔館

 

 

 

※「note」より転載
https://note.com/shojukan/n/n6f654d055a5b

 

2022-11-28 07:39:00

【12月の稽古予定】 

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いつも咲柔館ホームページをご覧になって下さりありがとうございます!
12月カレンダーを掲載いたします。

 

 

より画像が鮮明な「PDFファイル」版はこちらです。

pdf カレンダー 2022年12月.pdf (0.22MB)

 


咲柔館は、お子さんから大人の方まで、初心者の方やブランクがある方でも柔道を楽しめる道場です。

柔道にご興味がある方は、お気軽にお越しください。


見学・体験のお申し込み
はこちらからお願いします。


https://shojukan.com/contact



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